2021年6月30日水曜日

特集:清水さんの救急箱
  コンコンジイ(前田)         

 わが「和泉葛城山ブナ愛樹クラブ」は多士済々ですが、中でも異彩を放っているのがこの人、清水さんです。

 清水さんは元陸上自衛隊第37普通科連隊の名物教官でした。
 その経験をわがクラブの山仕事にも活かし、活動に及んでは常に救急事態に備えています。その象徴とも言うべきものが、この「清水さんの救急箱」でしょう。







 こんなものがぎっしり詰め込まれています。
 中には、ふつうの救急箱にはないものがあります。

 例えばこれ!
 これはいったい何だと思いますか? 
 分かった方はかなりその道に詳しい方です。

 
 実はこれ、アンモニアをしみこませた気付け具、意識を失ったとき鼻に嗅がせて回復させるすぐれものなのです。
 実際にメンバーが熱中症にかかったとき救ったこともあります。

 次の器具も普通の救急箱には見かけませんね。無呼吸になった人の口に黄色の突起を入れ、息を吹き込んで人工呼吸をするものです。 




 これはお定まりのピンセットやハサミ。
 真ん中にある注射針のようなものはトゲが刺さったとき抜き出す器具です。


 その他、小さな箱に、気付け薬から消毒綿まで必要に備えたさまざまな用具・用品が詰まっています。
 ちなみに、緑のボトルは切り傷・刺し傷・スリ傷等の消毒用、 シグナルは胃薬、袋の黒い丸薬は胸やけ・胸つかえ・嘔吐・吐き気用、 キンカン(アンモニヤ成分)は主に気付け用で、虫刺されにも有効。

 このほか、箱には入りきらない用具もいろいろと準備があって、ぎっしり車のトランクに積まれています。

 次の写真の上に見えるのは、骨折などのケガを負ったときナプキンがわりに支えるロープ。するするとほどけます。
 下は止血用具として使える自転車のチューブ。簡便です。輪ゴムだって役立ちます。


 これは保温シート。小さく折りたたんだものを広げれば、低体温症になった体を包んで温めてくれます。

 次は水難救助の用具。ペットボトルに錘となる砂をいれてロープをつないだもので、溺れた人に投げかけて救助します。
 これに範を得て、ため池の近くに住んでいるあるメンバーは、いざというときに備えて常備しているとか…。

 水難救助にはこんなものも…。

 さらには、もっと大掛かりな道具も常にトランクに積み込まれています。
 写真は遭難者が下に滑落などした場合、ロープをどこかに固定して遭難者のもとへスルスルと下りていくための手作りの装備。

 一方これは、遭難者を引き上げるための手作りの装備。素材は消防ホースを廃物利用。丈夫です。(清水さん、演技もなかなかのもの!)


 いずれの装備にも創意工夫が満ちています。もうひとつ、山仕事の達人にしてはじめて着想し得たこんなものをご紹介しておきましょう。使いつぶしたチェンソーの刃を再利用した手動のチェンソーです。

 おや、これは?! どうやら救急用具ではありませんね。
 山中にたたずむお地蔵さんに清水さんがお裁縫して着せかけた前掛けです。

 人にも、お地蔵さんにも、心優しい清水さんです。

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